HITOWAフードサービスでは、約7年前から施設で有償のイベント食を提供しています。施設のご入居者様の楽しみの一つである食事。日常の食事はもちろん、季節や非日常の食事も楽しんでいただくことを目的として有償のイベント食として提供しています。
マテリアリティのKPIとして「2025年度末までに提供回数で2022年度比20%増」を掲げていましたが、2023年度の年間提供回数は4,251回で2022年度比79.4%増と、目標を上回るペースで推移しており、2024年度からは「2025年度末までにFY23水準の4,200回以上を維持」を新たな目標として設定しています。
「イベントのHITOWA」と評価されるために
イベント食の開発をリードするのは、HITOWAフードサービス 事業本部 運営一部 運営三課の横山典尉。「私がイベント食に携わるようになったのは、今から6年ほど前です。当時会社の方針として『有償、無償、日常食をブラッシュアップする』こととなり、その中でのイベント食の開発に部門横断で力を入れ始めたのです」と横山は語ります。「グループ会社で運営している有料老人ホーム『イリーゼ』でもまだ実施していない施設がありますので、これからも増やす余地は十分にあります」
HITOWAフードサービスでは、現在、運営、直販、総務、献立、営業の25名が連携してイベント食の開発に携わっています。毎月メンバーが集まり、新企画のアイデアを持ち寄ります。事前に各自考えてきたものから、その場で思いついたものまで、スプレッドシートに記入していき、試作、試食を繰り返します。
「ご入居者様にとって、お食事は一番の楽しみといえます。日常では、温かい食事をいかに温かく、柔らかい食材をいかに柔らかく調理するか、を追求してご満足をいただくことが大事ですが、非日常は普段とは違うお食事をいかに喜んで召し上がっていただくかということ。『イベントのHITOWA』と言われるようになりたいと考えています」と横山は抱負を語ります。
バラエティ豊かなHITOWAのイベント食
HITOWAフードサービスが提供するイベント食は、うな丼や旬の食材を使った海鮮丼などから、ブリの解体ショーや職人が握る寿司などのパフォーマンスイベントまで多岐にわたり、ご入居者様に「非日常の食」を提供しています。
毎回大好評!ブリの解体ショー
「ブリの解体ショーは毎年実施しており、『HITOWAフードサービスといえばブリの解体ショー』というイメージが少しずつ定着してきたのではないでしょうか」と話すのは、パフォーマーとしてもイベントで包丁を握る、事業推進部 教育研修課の本間聡。「10 月~3 月がシーズンなのですが、月に多くて40 件ほどご注文をいただいている状況です。繁忙期の1月、2月になるとパフォーマーが足りなくなるほどの目玉商品になっています」
体験できる、選べる楽しさ
ブリの解体ショーのほか、パフォーマンスイベントとしては、職人が目の前で握る寿司、ご入居者様が足踏み体験もできる手打ちうどんを実施。また、さまざまな種類のケーキを一度にたくさんお楽しみいただけるケーキバイキングや、定番の食材をおいしいお出汁で煮込んだ本格的なおでん、中華バイキングも人気です。
握り寿司
手打ちうどん
ご入居者様や職員の方からのフィードバックも参考に
イベント食の献立は、事前に告知して申し込みを受け付けます。当日まで掲示板に掲示し、ご入居者様の中には、当日のイベントをしっかり覚えている方も多くいらっしゃいます。「『楽しみにしていた』 『うれしいな』といったお声をたくさんいただきます」と本間は微笑みます。
「イベント食の開発では、『ご入居者様の目線になり、どのようにしたら盛り上がるか、こうしたら楽しいだろうな』という点を心がけています。また、ご高齢の方々ですので、参加しやすさも考慮しています」と本間は言います。楽しいイベントでも、ご高齢の方は長時間になるとお疲れになる方もいらっしゃるため、時間配分には気を遣います。職員からのフィードバックも参考にし、寄せられたコメントをイベントに活かします。
喜びの瞬間の創造 ~事業理念の実現を目指して~
事業理念に「私たちは、食の提供を通して、『安心・安全な日々の提供』と、『喜びの瞬間の創造』を追求しつづけます」とあるように、HITOWAフードサービスではこれからもイベント食をさらに充実させていく予定です。
「これからもご入居者様にいろいろな体験をしていただければと考えています。今、アイデアを練っているのは、キッチンカーで食事を提供するというものです」と横山。「とにかく喜んでいただけるような『何か』を提供していきたい」
本間は、施設との連携に新たなイベント食のあり方があると言います。「私たちは給食受託会社ですので、施設の厨房で調理し、食事を提供しています。施設で実施しているコンサートやイベントに食事を付けるなど、施設一体としてのイベント食にもっと力を入れられるといいなと思いますね」
HITOWAフードサービスのイベント食開発 プロジェクトチームの挑戦はこれからも続きます。